コレクション: 友人関係に悩むあなたへ
ふとしたきっかけから、友人との関係が複雑になったり、思いがけないことで信用を失ったり―。
友人との関係を大切に思うからこそ、悩みは尽きないものです。
そんなあなたへ、大川隆法総裁の教えの中から、友人関係の悩みをときほぐす"心の処方せん"をお届けします。
明るい人は明るい人と、暗い人は暗い人と引かれ合う
「明るい心」を持っていると、その反対のものとは、だんだん、合わない感じがしてくるものです。みなさんも、そういうことがないでしょうか?
自分が、暗いジメジメした気持ちや、「人を見たら憎たらしい」と思うような気持ちのときに明るい人を見たら、嫌になりませんか?自分が暗いとき、明るくてニコニコしているような人と友達になれますか?
やはり、合わないので、「向こうが逃げていくか、自分が引いていくか」のどちらかになるのではないでしょうか。
でも、明るい者同士であれば、くっつきます。あるいは、暗い者同士も、けっこうくっつくのです。
人の悪口を言い合っている関係にも、友情というのはあります。不幸な者同士で慰め合う友情があるのです。
ただ、不幸を慰め合う友情というのは、一人がそこから抜け出すと崩れます。残されるほうは、逃げようとするほうをパシッとつかんで、引きずり下ろそうとするのですが、逃げ切られた場合には友情は破綻するのです。
やはり、こういう、マイナスのほうで行きたくはありません。私の願いとしては、できたら明るい人同士の友情がよいと思いますし、あなたの明るさでもって、暗い人をも、明るいほうへ転じていくだけの力を持ってほしいと思います。
そのような"自家発電"をしていただきたいのです。
(『アイム・ハッピー』 より)
「なるべく相手の長所を見る」という傾向を養う
人間関係を良好にし、友人を増やしていくためには、「なるべく相手の長所を見る」という傾向を養うことが大事です。
これは、「自分の人生の方針として、人のよいところをできるだけ見るように努力しよう」と、心のなかできちんと決めたならば、意外に可能なのです。まずは「そうしよう」と思わなければなりません。そして、そう思えば、そのようになっていくのです。
繰り返しますが、努力して相手のよいところを見ていくことです。「この人のなかにも何かよいところや長所があるのではないか」と考え、なるべく、そちらのほうを見てあげることが大切なのです。
ここで、一点、注意してほしいことがあります。
それは、「学校の勉強をしすぎると、頭脳が緻密になり、細かいことにまで気がつくようになるが、それと同時に、『これは引っ掛け問題ではないか』と考えるような"緻密さ"も身につくため、人の粗や欠点などがよく見えるようになってくる」ということです。
つまり、"頭がよくなる"と、人の欠点がよく見えるようになるのです。ここが一つの魔境です。
もちろん、管理職など、人を指導する立場に立ったときには、人の弱点や悪いところが見えることも必要であり、それがまったく見えないようでは困ります。
やはり、「人の短所も見えてはいるけれども、その人の長所を引き伸ばしていこう」としている人が、よい指導者なのです。
人の欠点や弱点がまったく見えない指導者にも、また、それなりに困るので、そういう指導者であってはいけないわけです。
ただ、頭がよくなることにより、人の弱点や悪いところばかりが見えてきて、とにかく人の粗を探すような傾向が出てくると、人間としては、嫌われるようになっていきます。これについては、人から言われないと、なかなか気がつかないものです。
特に、若い人の場合には、そういうところがあります。頭脳が緻密になればなるほど、人の欠点や弱点が見えてくるようになり、特に理数系的な頭脳が発達すると、細かな間違いがよく分かるようになります。しかし、そういう人と友情を結ぶのは、なかなか難しいのです。
そういう傾向のある人は、「自分にも、間違ったり、失敗したりすることがある。そういうときに、それを許し、受け入れてくれる人がいるのはありがたいものだが、それは他の人にとっても同じなのだ」ということを知らなければならないと思います。
(『心を癒す ストレス・フリーの幸福論』 より)
ふたごころがある人は信用を失う
人に信頼されない場合の最も典型的な例は、二枚舌を使う人、ふたごころがある人です。
本人にそのつもりはないのかもしれませんが、ふたごころがあって人に近づいたり、表面ではうまいことを言いながら、内心ではまったく違うことを考えていたりする場合です。そのことを相手に見抜かれ、「いやなやつだ」と思われてしまうのです。
こうしたことは男女のつきあいにおいてもあります。世の中には非常に器用な人がいて、3人も4人もの女性のあいだをじょうずに渡り歩く男性や、自分の美貌を利用して、何人ものボーイフレンドのあいだをじょうずに行き来する女性がいるのです。
しかし、それを相手に知られると、完全に信頼を失ってしまいます。
ところが、当の本人は、どうして信頼されないのか、その理由が分からないのです。
そして、「私は自分の心のままに動いているのよ。Aさんにも素晴らしいところがあるし、Bさんも、とてもいい人だし、Cさんだって、なかなか隅に置けないわ。それぞれに素晴らしいところがあるから、私は自分の心に忠実に、月曜日にAさんとデートをしたら、火曜日にはBさんとデートをして、水曜日にはCさんとデートをしているだけで、ただ純粋に行動しているのよ。それなのに、私がBさんとデートをしたと言って、なぜAさんが怒るのか不思議だわ。どうして私を信頼してくれないのかしら」と考えたりします。
こうした人は、「逆の立場だったならば、自分はどのように感じるか」ということをあまり考えたことがありません。
「自分は『蝶よ、花よ』と扱われるのが当然であり、他の人とは違って、非常に高いところに位置づけられているのだ」ということを前提としているのです。
このような人は、いずれどこかで人間関係に破綻をきたすだろうと思います。
(『「幸福になれない」症候群』 より)
情報管理ができない人は信頼されない
人に信頼されないタイプとして、情報管理ができない人もいます。話が右から左へ筒抜けになる人です。これは口の軽さに原因があります。他人に言ってはいけない話というものがあるのです。
「この人なら話しても大丈夫だろう」と思って話したところ、すべて筒抜けで、多くの人に知られてしまったということになると、話した人は、その相手には二度と大事な話をしなくなります。
したがって、人の信用を得るためには、他人に話してよいことと悪いことを、きちんと分ける必要があります。
そして、「これは君だけに打ち明けるのだから、だれにも言わないでほしい」と言われたときに、「もしかすると、自分は他人に話してしまうかもしれない」と思ったならば、「私は人から聞いたことを心の内にとどめておくことができない性格なので、私に話すと、だれかにもらすかもしれない。だから、ほかの人に言ってほしくないことは私に話さないでほしい」と事前に言っておくことです。
それでも相手が話したい場合には、聞き役となることもやむをえないでしょう。話を聞いてあげることによって、相手の気持ちはすっきりすると思います。ただ、できるだけ情報管理をしてください。
自分が口の堅い人間ではないならば、むやみに人の相談には乗らないことです。口の堅い人であれば人の相談に乗ってあげてもよいのですが、口の軽い人が相談に乗ると、まわりに情報が筒抜けになり、相談した人の悩みがますます拡大することがあるので、「自分は情報管理ができない」と思う場合には、人の秘密やプライベートな部分には、あまり立ち入らないことが大事です。
また、情報管理ができない人には、逆に、自分の秘密を何から何まで人に話してしまう性格の人もいます。こうしたタイプも人から信頼されなくなっていくので注意が必要です。
ほんとうの友情や信頼とは、何もかも見せてしまうことではないのです。「親しきなかにも礼儀あり」という言葉があるように、友人に対しても、自分のよい面を出してつきあうことが大事です。「何もかも話してしまうことが必ずしもよいことではない」と肝に銘じてください。
(『「幸福になれない」症候群』 より)
約束を守れなかったときに大切な「残心」
他の人との信頼関係を保つためには、「約束を守る」という態度が大切です。
もちろん、約束どおりには実行できない場合もありますが、それでも、誠意を尽くす気持ちだけは持っておくことが必要です。
約束を守れなかった場合に、「申し訳ない。この借りは、いつか返そう」という気持ちを持つことが大事です。
これを別の言葉で言えば、「残心」(心を残す)ということになります。
私は剣道をやっていたことがありますが、たとえば、試合で「面」を打ち込むときには、それに一生懸命になってしまいがちです。
ところが、それで決まらなかった場合は、姿勢が完全に崩れ、そのあと、簡単に1本取られてしまいます。
したがって、全力で打ち込んでいても、心だけは残しておく必要があります。
それは、次の体勢への心配り、あるいは余裕というものです。
これを「残心」といいます。
こうした心を持っていると、次の対策が立つのです。
ある人に、「やります」と約束しても、結局、できないことがあります。
しかし、口先だけの人なのか、誠意を尽くしながらもできなくて、「何かのときにはお返しをしたい」と思っている人なのかは、人格の香りで分かります。
したがって、そうした気持ちだけは残しておく必要があるのです。
(『コーヒー・ブレイク』 より)
「親しくとも、ここまで」という距離のとり方がある
人との付き合い方で、もう1つ難しいのは、「相手の侵入をどこまで許すか」ということです。
心の扉を開くと、入ってくる。こちらが一歩下がると、もう一歩入ってくる。さらに一歩下がると、また一歩入ってくる。
このように、どんどん入り込んでくる人がいるのです。このタイプの友達に困っている人はかなり多いと思います。
これは、友達付き合いを始めたが最後、家のなかに上がり、お米の数まで数えてしまいそうなタイプです。
一言で言うと厚かましいわけですが、こうしたタイプであるため、他の人から疎まれる人もいるのです。
したがって、「オール・オア・ナッシング」、つまり、「友人なら全部受け入れ、友人でなければまったく受け入れない」という考え方をとるのではなく、距離のとり方を常に考えておく必要があります。
「親しくとも、ここまで」という距離のとり方があるのです。
一定の距離をとっておくと、長く付き合えるのですが、その距離が短すぎると、お互いに干渉し合って、長く付き合えなくなることがあるので、距離のとり方を大事にすることです。
この辺を間違えると、相手にどんどん入ってこられて、嫌になり、パシッと切ってしまうことになります。
そうすると、相手は、「あれほど自分に好意的だったのに、手のひらを返すような反応をされた。納得がいかない」と考えます。
こうしたタイプの人は、「自分が入りすぎた」ということが、なかなか分からないので、最初から少し距離をとっておいてあげることです。
(『コーヒー・ブレイク』 より)
仲間の犯罪行為には、言うべきことをきちんと言う
今、中高生あたりでは、万引きをする子も多くなっていますが、どちらかといえば、1人でやるよりも何人かでチームを組んでやる場合が多いようです。
品物を盗んでくる人のほかに、見張り役や、フェイント役、何かを買うふりをする役がいたりします。コンビニなどは店員が1人ぐらいしかいないことも多いので、何人かで組んでやれば容易に盗むことができます。
そのように、万引き仲間をつくって一緒にやるようなことがありますが、これは悪い友達です。
ただ、友達が5人、6人、7人、8人という数になり、いったん、そういう人たちと交遊関係をつくってしまうと、万引きをするときだけ抜けることは、なかなかできません。抜けようとすると、「おまえは生意気なやつだ。仲間外れにするぞ」などと脅されるために、心ならずも参加してしまうことがあります。
しかし、このような交遊関係は悪しきものであり、むしろ、友達であるならば、「そういうことをしてはいけない」と、きちんと言う関係をつくるべきです。言ってあげなければ、彼らが、犯罪者になったり、将来を駄目にしてしまったりするおそれもあります。
万が一にも、そのようなことになってはいけないので、言うべきことは言わなくてはなりません。
(『勇気の法』 より)
自立することが真なる友情を生む
たいていの人間は、人間関係を調整することによって、金銭的な面や仕事の面などにおいて、ほかの人から、いろいろな慰めや助けを得たいと思っています。人間はみな、だいたい、そのように思っているものです。
しかし、そうであるならば、むしろ、その反対に、なるべく他人の助けが要らないように、自分でやっていこうとすることが大事です。
これは、英語で言えば「インディペンデント」(独立している)ということです。
「お金の面でも、仕事の面でも、生活の面でも、できるだけ自立し、独立して、他人の面倒にならないようにしよう」と思っているタイプの人とは、友情を結びやすいのです。こういうタイプの人同士の場合は、友情を結んで助け合うことも、お互いに楽なのです。
ところが、いつも「助けて、助けて」と言って、感情的にも金銭的にも、さまざまな面で人を巻き込むタイプの人とは、友情が長続きすることはありません。片方が一方的に助けてもらうような関係は、債権者と債務者の関係であって、そこには真なる友情は成立しえないのです。
友情を得たいならば、人との結びつきを強くしようとするのではなく、反対に、「もう少し、自分のことは自分自身で面倒を見よう。自己完結をして、もう少し独立しよう。人に世話をかけなくても自分でやっていけるようにしよう」と思うことです。そういう人とは、比較的、付き合いがしやすいのです。
いつも「他人の助けが欲しい」と思っていることを、「自分は人間関係が深い」「自分には友達が多い」などと考えるのは間違いです。
友情とは、そういう関係のことではありません。ほんとうに自立していて独立心がある人ほど、相手と対等の立場で「君子の交わり」ができるようになるのです。
(『希望の法』 より)
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