コレクション: 妬み・嫉妬
「羨ましい」という気持ちを抱えたまま生きるのは、苦しいことです。
そして、目指していた夢や目標もだんだんと遠のいてしまいます。
「なぜだか胸が苦しい」「不幸感覚が強い」と思うことはありませんか?
そのときは、一度、誰かに嫉妬心を抱いていないかを疑ってください。
自らの嫉妬心に気づくことも、不幸を手放すための大切な一歩です。
大川隆法総裁の教えの中から、嫉妬心を克服するための心の処方せんを選びました。
他の人への嫉妬心は地獄霊を呼び寄せる
地獄という世界は、たいへん厳しく苦しい所です。そして、暗い所です。決して、楽しく明るい世界ではないのです。
地獄霊たちは、少しでも、その苦しみから逃れて楽をするために、この地上界に出てきて、自分と同じような傾向を持っている人間、自分と同じような憎悪や怒り、嫉妬の心などを持っている人間に取り憑きます。そうしているあいだ、彼らは、人間として生きているような気持ちを味わうことができるのです。それが目的で彼らは地上に出てきて、地上の人間に憑依し、人々を狂わせていくのです。
みなさんのなかにも、他の人の不幸を見て喜ぶ気持ちが多少はあるでしょう。まったくないとは言わせません。他の人々の不幸や失敗を見て、それを喜ぶ気持ち、ほっとする気持ちが必ずあるはずです。それが実は地獄霊との接点なのです。この「他の人の不幸や失敗を見て喜ぶ気持ち」のところに縄梯子を掛け、地獄から這い上がってくるものがいるのです。
そういうものが取り憑くと、あるときには、さまざまな病気を起こし、あるときには、人間関係を不調和にし、あるときには、会社の事業などを破滅的な状態に落とし込み、あるときには、詐欺師のような人間を信じさせて、身の破滅を招かせるようになります。また、家庭のなかに悪霊が入り込むと、家庭内で不和が起きてくるようになるのです。
その出発点は、他の人に対する嫉妬心や、他の人の失敗を見て喜び、少しでも自分の不幸が減ったように感じる心です。こういう情けない心が、実は地獄霊を呼び込んでいるのです。
嫉妬を感じる相手に対して「祝福の心」を持つ
人間は誰に対しても嫉妬をするわけではありません。そうではなくて、自分が最も強い関心を持っている方面で優秀な人に嫉妬心を持つのです。
例えば、みなさんが「サッカーの選手になりたい」と強く願っていれば、自分よりサッカーの上手な人を見ると、嫉妬を感じます。しかしながら、「サッカーの選手になりたい」と思っている人が、柔道の選手を見て嫉妬することは、あまりないのです。
同じように、「お金が欲しい」と強く願っていると、お金持ちは嫉妬の対象になるでしょうし、「異性から愛されたい」と強く願っていると、異性から愛されている人に対して嫉妬の心が湧いてくると思います。
そのように、第一段階として、「愛の対極にある嫉妬は、本当は、自分がなりたい理想像、自分が『あのようになりたい』と願う理想像を打ち壊そうとする、心の作用である」ということを知らなければなりません。
本当は、表面意識下では実現を願っているにもかかわらず、目標になるべき方向にいる人に嫉妬することによって、みなさんは、その方向に進むことができなくなるのです。なぜならば、みなさんには、嫉妬をしている対象に対して、必ず、批判をし、悪口を言い、その人の欠点を指摘するようになる傾向があるからです。
ここは大事なところです。みなさんが心に感じる嫉妬が、「本当は、この人のようになりたい」と思う人に対するものであることを、素直に認めることができたならば、嫉妬の心を抑えて、逆に祝福の心を持っていただきたいのです。
祝福の心は「肯定の心」です。「かくありたい」と願う心です。祝福の心は、「他の人の幸福を願う心」なのです。
その心を持っていれば、みなさんは、自分が祝福している人の方向に向かって、人生を歩んでいくようになるのです。
今、幸福な人は、あまり嫉妬をしない
嫉妬を感じている状態は、「幸福ではない状態」です。
今、幸福な人は、あまり他人に嫉妬をしないものです。
あなたの幸福の程度が上がれば上がるほど、人に対して嫉妬をしなくなります。
ところが、あなたの不幸感覚が強ければ強いほど、人に対する嫉妬心が強くなります。
そのような関係があるわけです。
このように、成功していくと、嫉妬心は薄くなってきます。
反対に、失敗が多かったり、えぐれている部分があったりすると、嫉妬深くなるのです。
「やきもち」としての嫉妬心
嫉妬心は「きつね色」に妬くぐらいがちょうどよい
松下幸之助は、「嫉妬心は狐色に程よく妬かなければならない」と、上手な言い方をしています。
「真っ黒焦げ」になるほどに妬いては駄目なのです。
しかし、まったく妬かないというのも駄目で、「きつね色に、こんがりと妬くのがよろしい。その程度にしなさい」と言っています。
これも一種の中道でしょうか。珍しい教えかもしれませんが、「嫉妬心における中道」ということでしょう。
夫であれ妻であれ、やはり多少の嫉妬心や独占欲はあると思います。
特に、夫婦の片方が趣味やサークル活動などに熱心になったりすると、心配になって、いろいろ言いたくなるでしょうが、「嫉妬心は、きつね色ぐらいまでですよ。焦げ茶になったり、真っ黒になるまでいったら、やりすぎですよ」ということです。
もっとも、「嫉妬心をまったく持っていない」という場合も、ちょっとどうかと思います。
「ご自由にどうぞ。全然、何も気にもしていないし関心も持っていませんから、どこへ行って、どこで死のうとかまいません」というのは、愛がないのとほとんど同じなのです。
きつね色にこんがりと妬いて、害を与えないぐらいの嫉妬心で止めるのがよいのです。そのあたりで止めれば、幽霊にならずに済みます。
しかし、「真っ黒焦げになるまで妬いたら、幽霊になりますよ」と、ご注意を申し上げておきたいと思います。
これは、夫に対しても子供に対しても同じことです。真っ黒になるまで妬いては駄目です。きつね色にこんがりと、うっすらと妬けるぐらいまでにしてください。
嫉妬を抑える「大人の知恵」を
嫉妬の感情を抑えることは「大人の知恵」です。
嫉妬心を抑えていかなければなりません。
「相手を、独立した個人として尊重する」という気持ちを持たなければいけないのです。
それは、夫婦など男女のパートナーの関係でも、子供が成長してきたときの親子関係でも同じです。自分が干渉してよい範囲と、「この先は本人に任せなければいけない」という範囲とがあるのです。
「これだけあなたを愛しているから、完璧に囲い込んで逃がさないようにしているのよ」「サメもフカも他の魚も寄ってこられないように、トロール漁みたいに網を張って、私が守ってあげるわ」そのような感じで夫を抱え込んでいると、夫もだんだん首が絞まって、苦しくなってきます。
しつこい女性になると、夫の会社に電話をして、何時に帰ったかを確かめる人もいます。そして、夫が深夜に帰ってきて、「残業で遅くなった」と言えば、「何時まで残業したの?」と追及していくわけです。
これは、夫を“追いつめている”のであって、愛することにはなっていないのです。
夫の立場からすると、妻が口うるさくなければ、早く家に帰ることもできるのです。しかし、妻が探偵か何かのように追及してくるために、帰るに帰れないのです。
成熟した大人として、ある程度は、相手の自由にさせるべきところはあるのです。「お互いにプライバシーがある」ということを知らなければいけません。
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