コレクション: 職場の人間関係

人間関係が上手くいかないと、存在を否定されたようでとても辛く苦しいものです。
そして、仕事もプライベートもどちらも心が乱れて何もかもがうまくいかなくなってしまう。
そんな悩みの世界から、少し心を抜け出して、真理の言葉に触れてみませんか?

大川隆法総裁の教えの中から、職場の人間関係を良好にするための
心の処方せんを選びました。

 

「今は運が悪いのだ」とあきらめるしかないこともある

今は運が悪い

「この人にとって、私は嫌いなタイプなのだな」と分かったときには、あきらめるしかありません。「今は運が悪いのだ。この人とは相性が悪いけれども、いずれまた、相性の良い人と会うこともあるだろうし、そのうち、転勤や配置替えもあるだろう」「私の評判が悪いのなら、私の悪口をどんどん私の上司に言ってくれたらよい。そうしたら、担当を替えてくれるだろう」というような考え方もあるわけです。

いちばん苦しむのは、人間関係における板挟みや、人の評価を巡る問題だろうと思いますが、実際には、自分ではどうしようもないものがほとんどなのです。

自分にできることは「考え方を変える」ということだけです。

「自分がどう考えるか。どのような対応をするか。どういう心の組み立てをするか」ということに尽きているのです。

他人が自分に対して下す評価は、自分の望むように変えさせることはできません。ただ、「自分が、自分自身のことをどう思うか。自分が、どのような態度を取るか」ということは、自分で選べることなので、そこに力点を置いていただきたいのです。

他の人が、あなたをばかにしたり、侮辱したり、からかったり、軽蔑したりしても、「お好きなように」と思うことです。それは相手の自由です。

その人は、仏の子、神の子としての自由性を、悪い方向に使っているのかもしれません。あるいは、その人は、今、あなたを苦しめているように見えるけれども、実は、あなたのことを鍛えるために怒ったりしてくれているのかもしれません。

実際に、その両方の場合がありえます。本当にあなたのことが嫌いで怒っている場合と、あなたを導こうと思っている場合と、その両方があるのです。

人の評価は一つの結果なので、自分が努力して変えられるものを変えていくことです。考え方を変え、人に対する態度を変えることです。まず、「自分のほうを変えていこう」と努力するのが、いちばん良いのです。

大川隆法著『超・絶対健康法』より

上司のよいところを見る

ビジネスで成功しない人というのは、結局において、上司を尊敬していないのです。確かに、上司となっている人にも、人間的な欠陥はあるでしょう。欠点もあるでしょう。あなたから見ていて不満に思うことは幾らでもあるでしょう。

ただ、そうでない面もあるのは事実なのです。そして、その人が自分の上司をしているということは、その人を「有能な人間だ」と判定している人が、またその上にいるということなのです。

したがって、もし、あなたが、上司を完全に無能呼ばわりし、「まったく取るに足らない、欠陥だらけの人間である」と思うなら、あなたは、その会社で、あるいは、その社会で、その組織のなかで、成功することはないと思って間違いありません。

上司のよいところと悪いところを比べてみて、「やはり、よいところが遙かに多い」と見えるようでなければ、あなたの成功はおぼつかないと思って間違いないのです。

大川隆法著『アイム・ファイン』より

部下の才能を愛する

部下

また、「上司を尊敬する」ということの反面とも言えますが、「部下を愛する」ということなくして成功する人もいません。

では、「部下を愛する」とは、どういうことか、分かるでしょうか。それは、「その人の持つ、よいところを伸ばしてやる」ということ、また、「悪いところがあったら注意をする」ということです。

部下というのは、たまたまの巡り合わせで来ることもありますが、上司は、自分の部下を、人間的にも立派になるように、将来、仕事で一人前になって立っていけるように、さらに、高い立場に立ってもやっていけるようにしていくことが大事です。

この際に、いちばん気をつけなければならないことは、「部下の才能に嫉妬してはならない」ということです。

優秀な部下が来たときに、ともすれば、その部下に嫉妬しがちな人がいます。「何とかして足を引っ張ってみたい。ケチをつけてみたい」という気持ちを持つ人もいます。

しかし、そういう気持ちでいては、その部下が出世できないことは当然のことですが、そのような評価を下すあなた自身も、そこで出世が止まることになるのです。

ほんとうに偉くなっていく人というのは、「才能を愛する」という傾向を持っています。

自分にない才能を持っている人を愛し、自分にない素晴らしい面がある人を愛し、そして、育てていこうとする気持ちがあります。

「部下を愛する」という気持ちは、実は、「自分とは違った個性である部下を、その個性のままに伸ばしていきたい」という気持ちを持つことをも意味しています。

むしろ、自分より優れた人物を配下に置いて、それを自慢にするぐらいの高い心境にならなければいけないのです。そのくらいの心境になって初めて、その人も出世していけるのだと私は思います。

大川隆法著『アイム・ファイン』より

「どうも肌が合わない人」にもよいところがある

肌が合わない

自分を評価してくれない人や、自分にとって気に入らない人が、出てくることもあるでしょう。

しかし、そうした人を、全部、駄目だと思わないようにし、気に入らない場合であれば、その人のどこが気に入らないのかを分析することが大事です。

「この部分はどうも肌が合わない。自分としては受け入れがたい」と感じたとしても、他の部分を見て、「この人にも、よいところはある。こうしたところはよい」と思っていると、その思いは相手に伝わります。相手は、「自分は全面的に否定されているのではない。この人は、自分のこの部分を嫌っているが、他のところはよく思ってくれている」と感じるのです。

すると、相手の人は自分を変えようとしはじめます。

「この人と話すときは、ここを控えればよいのだな」ということが分かるので、相手が変わってきて、そのよいところが出てくるようになるのです。

これは、知らず知らずのうちに、相手の変革を促していることになります。

「この人にも、よいところはある」という見方をすることによって、相手を変えうるのです。

しかし、「嫌いだ」と拒否してしまえば、取りつく島がなく、どうしようもありません。 完全拒否しないことが大事なのです。

大川隆法著『コーヒー・ブレイク』より

「どのような上司でも必ず出世させてみせる」という意気込みが大切

どのような上司に仕えても、その上司を必ず出世させるぐらいの部下であれば、必ず登用されていきます。

それは当然です。よい仕事をするためには、優秀な部下を集めるに限るのです。優秀な部下を集めていれば、自分が何もしなくても業績は上がり、偉くなれるのです。

このように、上の人もそれなりに苦しんでいるということを知らなくてはなりません。

サラリーマンとしての出世街道を上っていくためには、「どの職場の、どのような上司の下に行っても、自分が行ったならば、その上司を必ず出世させてみせる」という意気込みで仕事をすることです。どこへ行っても、そこの上司を出世させるのです。好ききらいは別として、自分が仕事でサポートし、その上司を必ず伸ばしてみせるということです。

その際に大事な点は、手柄を自分のものにしないこと、「自分がやった」と主張しないことです。これができないタイプの人は、どこかで足をすくわれることになります。

仕事は自分がして、手柄は人に譲ることです。部下たる者の心得として、仕事は自分が一生懸命にやり、その手柄は上司に帰することが大切なのです。このようなタイプの人は必ず出世していきます。

「自分は上司に認められていない」と思っている人は、おそらく、「手柄を自分のものにしたい」という思いが強いのです。こうした人は「手柄を自分に帰さない」という考え方でやっていくことです。そうすれば、必ず道が開けます。

大川隆法著『「幸福になれない」症候群』より

一度、自分史というものを徹底的に振り返る

徹底的に反省をしてみる

人間関係がうまくいかなかった人は、一度、徹底的に反省をしてみる必要があります。自己反省です。これをやらなくては、どうにもなりません。「何ゆえに自分は人間関係がうまくいかないのか」ということを、みずからに問うてみるのです。

「自分自身の、人間としてのあり方、考え方、性格に、何か不自然なものがあるのではないか。自分の行動の仕方に、何か問題があるのではないか」──そうしたことを自己反省していただきたいのです。そして、人間関係をじょうずに築いている人と自分との違いがどこにあるのかを、よくよく振り返ってみていただきたいと思います。

できれば一日に三十分ぐらい自分を振り返り、幼いときから現在まで、年代を区切って自己反省をしてみていただきたいのです。生まれてから、三、四歳までのこと。次に、五、六歳までのこと。さらに、小学校の低学年や高学年、中学校、高校、大学までのこと。社会に出てからのこと。このように、ある程度、年代を区切って、過去を振り返ってみることです。

そして、「現在の自分の性格が、どのような原因から発生しているのか」ということを探ってみるのです。

それは意外に、子供のころにわがままだったことが、そのまま出ているのかもしれません。

また、一人っ子であるために、人間関係をじょうずに築けないのかもしれません。田舎に育ったことが、都会の生活のリズムや形態に合わないのかもしれません。あるいは、仕事そのものが、自分の性格と合っていないのかもしれません。

このように、一度、自分史というものを徹底的に振り返り、よく考えてみることが大事です。そのときに、何らかの反省点が必ず見つかるはずです。そうすれば、会社での出世うんぬんはともかくとして、まず、人間としての自分の修正はできます。少なくとも、人間として立派になることは可能なのです。

大川隆法著『「幸福になれない」症候群』より

子供時代に満たされなかった欲求不満が違ったかたちで表れることがある

幼少時、子供時代に自分が満たされなかった欲求不満のようなものが、社会人になってから、違ったかたちで表れることがあります。本来は親に対して求めていたものを、たとえば、上司、上役に対して求めたりするのです。親に求めていたのと同じような評価を、親の代わりに、会社の部長や社長、役員などに求めたがるわけです。

ところが、そのような振り替えをしても、たいていの場合、親に対して欲求不満を持ったのと同じように、また欲求不満になります。自分が思っているようには満たされないのです。

それは、そのはずなのです。会社には、たくさんの社員がいて、課長や部長、社長などは、数名、数十名、数百名、あるいは、それ以上の大勢の部下を養っています。

そして、たとえば、子だくさんの家庭で、親が「子供を公平に扱わなくてはならない」と思っているのと同じように、会社で、上司はみな、「部下に対して、あまり好き嫌いをはっきりさせてはいけない」と思っているものです。上司が部下に対して、あまり好き嫌いをはっきりさせると、全体の士気が落ちるので、上司は、なるべく、そうならないようにしようと努力しています。

そのため、ある人が、「自分だけが独占的に上司から愛されたい」と強く願っても、十中八九、その試みは失敗に終わります。たいてい成功しないのです。

上司が、その人だけを特別に持ち上げて、偉くしてくれるようなことは、あまりありません。また、たまたま、そういうことがあったとしても、その人は、まわりからの嫉妬や悪口など、いろいろなものを受けて、挫折しがちなのです。

大川隆法著『幸福の法』より

「これだけは嫌だ」という考え方を変えてみる

「これだけは嫌だ」という考え方を変える

やはり、他の人に対しては、百パーセントを求めるより、よくやっているところのほうに目を向けてあげるべきなのです。

そのようにすると、不思議なことに、世の中は変わってきます。「人から奪いたい。取りたい。貰いたい。貰わなければ幸福になれない」という思いをやめて、自分が現に与えられているものを発見し、あるいは、他の人の悪いところではなく、よいところを見ていこうとすると、そういう、評価を変えること、考え方を変えること自体が、実は人に与えていることになるのです。

一生懸命やっていて、九十パーセントまでできていても、十パーセントがだめで、いつも怒られている奥さん、あるいは、ご主人がいます。相手から見て、「あなたは、いい人なのだけれども、この癖だけは、どうしても気に入らない」というようなものがあるわけです。

たとえば、「一生懸命やっていて、いい男なのだけれども、このポマードだけは嫌だ」「このひげだけは、どうも嫌だ」「この片方の目の目尻が吊り上がっているのが、どうも嫌だ」「ときどき鼻を鳴らす癖がある」「夜中に歯ぎしりをする」など、いろいろあると思います。

しかし、「これだけは嫌だ」というものを取り上げて言っている人は、不幸になりたい人なのです。要するに、そういうことを言っている人は、実は、自分が不幸になりたくて、不幸になる理由を探しているのです。「これがあるから幸福になれない」という理由を探しているのです。

そうではなく、やはり、他の人のよいところを認めていき、自分が与えられているところについて、よく感謝し、考え方を変えなくてはなりません。

そして、人から取ることは、もう、この辺でやめましょう。人から与えられていることをよく見て、今度はちょっと、自分も人にあげるほう、お返しをするほうを考えましょう。

大川隆法著『幸福の法』より